リサーチ10 ――契約――


シーンプレイヤー:ハインリヒ/タロット:イヌ(正)


 ゆれる、車内――まるで、あの時のようだ。
 真っ暗な画面に、ノイズが走る。

“彼”の視界は少しずつクリアになっていき、状況を理解するため、記憶領域を探っていく。
「気が付いたか、スレイプニル」
 目の前にいたのは、軍服を着込み、眼帯を掛けた少女とも少年とも取れる格好をした――名を、確か、そうハインリヒと言っていた。



RL:トラック内に格納されているスレイプニル。[昏睡]したシーン内に《買収》されてるから、ゲストとしてのスレイプニルは死んだが、確保には成功としようか。

スレイプ:「状況――確認」

ハイン:「理解は?」

スレイプ:「把握」

ハイン:「お前の、主は?」

スレイプ:「ハインリヒ・ヴィルヘルム。アナタデス」

ハイン:「よろしい」 にやりと笑います。

晴海:登場していい? 見過ごせないところがある。

ハイン:後ろを向いて、「おや、戻ってこられたんですか」

晴海:〈社会:リッツガルド〉で代用判定して成功。「ええ、向こうの方はワケの分からないまま終わりましたから」

ハイン:「一体何が?」

晴海:「知らなくていいですよ。キャラが崩れますから」(一同笑)

ハイン:「キャラが崩れるのはミリシアで腹いっぱいだ」

晴海:「あの子はまあ、仕方ないとして……ところで、彼の様子は」

ハイン:「順調に回復しているようだ」

晴海:「元気なようなら何より」 スレイプニルを見上げる。

RL:スレイプニルはアイ・カメラでピピピと晴海の事も認識しているようだ。

晴海:「彼は、一体どうなるのでしょう?」

ハイン:「父上から入手してこいと言われているからな。まずは持ち帰る」

晴海:「戦うためだけに作られて……スレイプニル。これからあなたはどうしたい」

スレイプ:「私ハ、戦ト、私ノ性能ヲ、生カス主ガイレバ、ソレデイイ」

晴海:自嘲気味に笑う。「愚問でしたか。すみませんね。勝手にシンパシーを感じていたもので」

ハイン:スタイルが1枚違うだけですもんね

晴海:「だから、出来れば彼を自由にしたかったというのはあるのですが、彼が戦いを望んで身を投じるのであれば、それでいいでしょう」殺し屋として育てられたところとかも含めて、共感している。

ハイン:機械かどうかの違いですね。

晴海:背を向けながら、「ああ、そうだ。もし彼を邪まな目的で使うのであれば、さすがに私も腹に据えかねます」

ハイン:「我々には、崇高な目的がある。君の感情など関係ないよ」加えてボソッと、「切り札が欲しかったのもあるしな」 呟きます。

晴海:「これだから天上人は……」 こちらもボソッと吐き捨てる。

ハイン:「それに……」 スレイプニルを見上げる。「彼とは、目的が一致しているようだしな」

スレイプ:「おーだーヲ、ますたー」

ハイン:「戦闘を見させてもらって分かったが、どうやら、君の力は守りに適しているようだな」

RL:適正はあるかもしれないが、こいつのキーはクグツだからなあ。「主の命のままに」と感情は簡単に捨て去れるよ。

晴海:「それなら自我なんて無い方が幸せですよ……後悔なんて、し足りないほどしましたから」言い残し、そのまま退場する。

ハイン:「自我が無い方が幸せなんて」 スレイプニルを見上げて問いかける。「自我のある幸せな人間のセリフだとは思わんかね?」

RL:スレイプニルはキュイイン、と器用に首をかしげた(一同笑)。

ハイン:では最後に、経験点25点消費して〈封印記憶〉を取得。〈自我〉も追加でダイヤに。〈封印記憶〉では〈分心:アラシ〉を選択。そして判定、〈社会:ドイツ〉〈自我〉〈社会:企業〉〈ホットライン〉〈分心〉で25。

スレイプ:「ピピ……生体コネクト、承認。契約完了」






リサーチ11 ――リッツガルドの真実――


シーンプレイヤー:アルヴィラ/タロット:トーキー(正)

アルヴィラ:そろそろ晴海と話すシーンが欲しいかな。

RL:いいよ。情報整理するためにも必要だしね。

アルヴィラ:OK、ピヨピヨした状態から目を覚まそう。

晴海:「あ、お目覚めですか」

アルヴィラ:「……てめー! さっきは何しやがった! ――って、どこだ、ここ?」 あ、トラックの中か。

RL:ぼちぼちヴィル・ヌーヴに戻ってくる。


晴海:決戦の場はヴィル・ヌーヴなのか。

RL:さよう。


アルヴィラ:「おい晴海。てめえ、後ろから不意打ちとは、どういうこったコラ」

晴海:「ああ、すみません。ちょっと目まいが」

リーベ:まだ包帯グルグルですもんね。

アルヴィラ:「この――……ったく、久しぶりに顔合わせたかと思えば引っ掻き回してくれんなあ、おい」

晴海:「存外楽しかったですけどねー」(一同笑)

アルヴィラ:「まあいい。その爆弾とやらはもう解除されたんだろ?」

晴海:「どうでしょうか。一応解除されたんでしょうけど」

アルヴィラ:「そんなら大丈夫だな。お前が殺した程度で死ぬようなタマか」

晴海:「うわ、ひどい。まるで私が人間でないかのような言いぐさ」

アルヴィラ:「似たようなもんだ。殺しても死なないツートップは、てめえと――」 その先は言いよどむ。


晴海:「クロノ王の件は、一応聞いています」

アルヴィラ:「あいつも人の子だったってことだな。まさかこんなに早くおっ死ぬとは思わなかったよ」

晴海:あなたがトドメを刺さなかった、ということも」

アルヴィラ:……ぴくり。押し黙る。

晴海:「まあ、それはいいです。それはクロノ王の願いであって、あなたがしたいことではなかった、というだけ」


RL:誰がこいつに教えたんだ……?

アルヴィラ:帰った後にイザにゃんから聞いたのかもしれないし。

RL:言うのかなあ。

リーベ:もしかしたら、すべて晴海のカマかもしれない(爆笑)。

RL:クロノ王が死んだ、までは理解していいかもな。

晴海:ならその先はカマをかけたってことで。


アルヴィラ:「……あれ? お前、それ誰から聞いた」

晴海:「……ふふ」

アルヴィラ:「てっめ!」

晴海:「まあそれはどうでもよろしい」(一同笑)

アルヴィラ:毒気を抜かれた感じで「あーもー! ……まあ、このやりとりも久々だな。で、そっちは色々片付いたのか?」

晴海:「ええ。久しぶりに暴れられましたよ。自分で自分が恐ろしくなるほどに」

アルヴィラ:「だが、この後ももうひと働きあるぜ。分かってると思うがな」

晴海:「ええ、そうですね」 柔らかく笑った後、話の腰を折るように「ああ、すいません。今から独り言言うから黙って聞いててください」と語り出す。

アルヴィラ:「ああ?」

晴海:「私小さい頃、河渡の殺し屋だったんですよ」

アルヴィラ:黙って聞いてよう。

晴海:「リッツガルドに関わる一連の事件で、私は戦うためだけに権力者に生みだされ、捨てられていく者に数多く出会いました。そしてそれは、かつての私と、すごく重なるものでしてね」

リーベ:へえーそうなのかあ。

晴海:「だからでしょうか。脳内爆弾を埋め込まれているというのに、スレイプニルに情をかけてしまいました。痛感しましたよ、彼が“そういう生き物”だってことをね。命令されたようにしか動けず、いや、命令されて動くことを望んでいる――。私は、もうこんな闘争はこりごりです。権力者たちの手の上で駒として踊り狂うだなんて、馬鹿げてます」

アルヴィラ:「あー、まあ、その通りだと思うぜ。戦いってのは、もっと優雅で楽しくあるべきだ」(一同笑)

リーベ:リッツガルドェ……。

晴海:「しかしあなたは違う。なんの益もないのにあの子たちを助けてくれた」

アルヴィラ:「あの子たち……? 誰のことだ」 アルヴィラはそんなに自覚してない。

晴海:「ソフィアとフロツェシカですよ。メイド見習いとして匿ってくれた」

RL:N◎VAに置いてきたね。

晴海:うん(笑)。「今頃は無事でいるでしょうか。……まあ、心配しなくてもなんとかなるでしょう」 並のゲストより強いし。

RL:モモエちゃんあたりが拾ってくれてるだろ。

アルヴィラ:「そうだな、まあ、権力者の無駄な争いほどくだらねーもんはねーって……俺も今はその権力者様の仲間入りみてえなもんだがな」

晴海:「あまり失望させないでくださいよ。もしそうなったら、遠慮なく後ろから刺しますから」

アルヴィラ:「へーへー努力しますよ。こっちの命のためにもね」 といったところで、「あー、そうだ。これのことは言っといたほうがいいのかな」ペンダントを取り出してクルクル。

ペン:目ーがまーわるぅー


アルヴィラ:声は聞こえるの?

RL:ん? 好きにしていいよ。

リーベ:始解するんですか。

RL:そのうちアルヴィラがフルブリングしたりな。

晴海:お面が出たり。

RL:『戦いとは優雅で――!』(爆笑)


アルヴィラ:お前ら好き勝手言ってんなよ(笑)。〈親衛隊:アヤカシ〉で16。これでデータ的にも会話可能になった。

晴海:いそいそと耳を塞ぎます。脳内爆弾が残ってないかチェック(一同笑)。

アルヴィラ:「あとこんなんもいるぞ」

リーベ:斬佐でーす。

晴海:「もういいです……なんでも」

アルヴィラ:かくかくしかじか「……という事件があったんだが、ぶっちゃけ俺にもよくわかんねえ」

晴海:「なるほど。つまらない世の中に降りてきたものですねえ、あなたがたも」

斬佐:「それなりに楽しんでいるぞ、私は。この世もまだまだ捨てたものではない」

晴海:「そりゃあなた、見るからに武人ですから。戦えりゃ満足なウォーモンガーなんでしょ」

斬佐:「この小娘の戦いも中々どうして。昔を思い出して腕を振るいたくなるというもの」

晴海:あれ、似たような人がいたような。ポクポクポクチーン、クロノ王だ!(一同笑)

アルヴィラ:「結局のところ……脳筋の集まりだわな」

晴海:「……どうしようこの国」

ハイン:ね(笑)。

晴海:「前言撤回。すべてを捨てて逃げ出しましょうか」

アルヴィラ:「ははは、今さら逃がすと思うなよ?」 ケントの儀式について調べたいが、〈交渉〉〈コネ:グングニル〉で報酬点も使って21。「さて、そろそろ大詰めだ。あの大統領様はこのスレイプニルを利用して、何か企んでいるらしい。お前、何か見当つくか?」

ペン:「それはたぶんアレだねー」

リーベ:ペンちゃん分かるんだ……。

ペン:「私たちの力ってぇー、あーちょっと回さないでー」(爆笑)


ケント・ブルースの儀式
・ケント・ブルースは、“聖遺物”の力を用いて世界に終焉をもたらす力を得ようとしている。
・スミソニアンの都市整備は、リッツガルドの地下に広がる空間を模したものである。魔術的な力の巡り、風水などの条件が整っており、ケント・ブルース自身の霊力を高められるよう建築されている。


アルヴィラ:「待て、地下都市? 何を言ってるんだお前は」

ペン:地底村、知らない? おっくれってるぅー

アルヴィラ:「知るかよっ!?」(爆笑)

晴海:あれ、ミリシアしか知らないんだっけ。

ハイン:そうです。不思議なことに(笑)。


・アルヴィラの持つ聖遺物“グングニル”によって、リッツガルドの地下に眠る強大なエネルギー“ソラナギ”を入手した後、世界を終焉に導く第2の――ただし、聖遺物で身を包んだ部隊による人的な――災厄を起こすのが目的のようだ。


晴海:つまり、殺戮による終焉?

RL:そゆこと。

アルヴィラ:「ってーことはアレか? その儀式を成り立たせるためには、お前も必要だと?」

ペン:「そゆこと」

晴海:「とりあえず……コレを消滅させてしまえば、その儀式とやらは成立しなくなるのでは?」

アルヴィラ:「俺もそんな気がしてきた……が、そういうわけにもいかないのがお偉方のつらいところ」

ペン:「ちょっと何あんたら勝手言ってんのぉー!? んなことしたら、この大地が一瞬で……ボン、キュッ、ボーンだぜ?」(爆笑)

アルヴィラ:「だそうだ。なんにせよ、保障が必要だ。特にこいつは」

ハイン:お金残しておいてよかったですね。この“ソラナギ”調べないとマズそうですよ。エアハルトの思惑についても知っとく必要がありますし。

晴海:俺が調べようか。

アルヴィラ:なら報酬点渡しとく。プラチナムあるから。

晴海:〈社会:リッツガルド〉で18。報酬点使用して、達成値は28。

RL:うお、神業温存してきたか。そういえば、イザナギがこんな昔話をしていたのを思い出した……(爆笑)。

リーベ:イザにゃんだった(笑)。


“ソラナギ”
・“空亡”とも書く。現代の技術では解明できないリッツガルドの地下に眠る新エネルギー。通常は入ることができない空間に眠っているそうだが、アルヴィラの持つ“グングニル”を用いればその空間に入ることができ、過去に採取されたこともある。その副産物として生まれたのが聖遺物、ヴィーデルリボンである。
・日本の“アマテラス”“スサノオ”“タケミカヅチ”、北米の“スノウクイーン”など各国が開発した超兵器、そしてその中でも最悪の存在“グランドクロス”を作成する際の核として使用された。ケント・ブルースはこの力を用いて聖遺物の大量錬成を行おうともくろんでいる。
・リッツガルドは傭兵国家と知られているが、このエネルギーを守るための守り人として建国された国である。なお、この事実は国家機密であり、この情報を知った者には監視が付けられる。



アルヴィラ:あの……その国家機密をポロッと漏らしたイザナギは何者だ。

ハイン:どこから監視が付くんですか?

RL:次にマスターシーンが挟まるから、そこでね。

晴海:調べたのは俺だよね? 抱えたくなってきた。

アルヴィラ:巻き込んでくれていいよ(笑)。


晴海:「いやーすごいですよ。なんでも各国のありとあらゆる珍味を再現できる究極の調味料だそうで」(一同笑)

アルヴィラ:「おい、てめー何か知ってるな。教えろ」

晴海:私の優しさに何故気づかない……」(爆笑)

アルヴィラ:「いいからしゃべれ。こっちはまだ正式とはいえないが、あの国の代表だ。知る義務がある」 〈交渉〉〈コネ:晴海〉で達成値は15。

晴海:よかったね、制御値抜いたよ。「はあ、どうなっても知りませんよ」 と教えよう。


アルヴィラ:「わあーすごい。確かに、世界のありとあらゆる珍味かあ」

晴海:「差し出がましいようですが、こんなもの、人間には過ぎた力だと思いません?」

アルヴィラ:「ああ、まったくだ。一方的すぎる力ってのも味気ない」

晴海:「力を手に入れた人が、究極の善性をもっているのだとしたらアリなのかもしれませんが……そういう人の存在は望むべくもない、というのが人生経験ですし――。どうします、姫様?」

アルヴィラ:「あん? 取りあえず、やっちゃってるってのはよーく分かった。これは大統領には渡せねえわ。守り人たるリッツガルドの姫としてはね」

晴海:「リッツガルドには無論知っている者もいるかもしれませんが、なるべく漏らさないほうがいいですね。――ハインリヒさんにも

アルヴィラ:「だ……な」



舞台裏



ハイン:エアハルトの思惑を出そうにも、代用判定する以外に調べる術がない。回しておきます。

リーベ:自分も回します。






リサーチ12 ――天球の下で――


ルーラーシーン/タロット:カリスマ(正)


 黒い球体が、回っている。
 亀裂から、淡く光が漏れるそれのほかに、その空間には光源は存在しない。
 遠く、狭く。まるで距離感という概念がないかのように――。




RL:じゃあRLシーンね。稲垣怜呀タンの執務室のような暗い――。

一同:稲垣玲呀!?

RL:あ、違う千早(爆笑)。

ハイン:カリスマって、誰かいたっけ。大佐も出てきかねない展開ですけど。

RL:和泉大佐は出てこないけどね。「私の左腕はいまだポケットの中に隠されている、その意味が分かるか?」

晴海:「(ふっと笑って)寒いからだ」(爆笑)


RL:き、気を取り直してっ! その球体は宙に浮かびあがり、クルクルと回っている。暗闇の中、まるでハイウェイを走る車のライトのように不規則な光は、2人の人影を照らし出す。一人は、エアハルト。

リーベ:エアハルト!(笑)

RL:んで、もう一人は顔をターバンで覆った青年。


アルヴィラ:誰だあー?

晴海:ここで新キャラ?


RL:そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。その青年が口を開く。「真実に迫る者が、また増えたね。エアハルト」

エアハルト:「そうか、あいつらも一歩近づいたか。……で? 監視下におくのか、“モア”」


晴海:モア?

リーベ:反乱軍のリーダーですね。


モア:「無論だ、例外はないよ。たとえ、真実を知る者が、守り人たるリッツガルドの若き姫であろうと。この“ソラナギ”の力、悪用させるわけにはいかない」

RL:無表情で黒い球体を見つめながら、モアは呟く。

モア:「それより、いいのかいエアハルト。彼ら、あの“黙示録の竜”と一戦交えようとしてる」

エアハルト:「……はっ。あいつらが負ける未来? んなもん俺には見えねえなァ」

RL:鮫のように笑って返すエアハルト。2人が見上げる先では、その黒い球体が回っているといった情景を映し出してシーンは終了。






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