リサーチ1 ――集結、岩雷(イワミカヅチ)部隊――


ルーラーシーン/タロット:フェイト(正)


 ブラックアウトした画面からシーンはスタートする。

 どこかの暗がりで、“彼”は意識を覚醒させた。
 最初は理解できなかった。『自分が生きている』という感覚に戸惑いを隠せず、“彼”は満足に動かせない体で視線を巡らせる。

「目覚めたか」

 唐突に掛けられる、何者かの声。
“彼”の体は床に転がされているようだった。視線を上げると、その声の主が自分を見下ろしているのが分かる。聞き覚えのある声だったが、意識はまだ朦朧としており、暗さで顔も判別できない。
 ガシャリ――。動かそうと思った手、それが硬質な音を立てて視界に映る。見ると、それは赤い甲冑に覆われていた。
 その瞬間、“彼”は全てを理解した――。

「復讐は失敗したようだな、ジャン・バルバトール」



RL:最初はルーラーシーンです。このアクトに暗躍する連中を顔見せするので、よく聞いてくださいね。

ミリシア:ジャン!?

アルヴィラ:生きてたのか。

リーベ:しかも甲冑ってことは、あれですか?(笑)

RL:そう、斬佐が憑りついていた首なしの甲冑。ジャンの肉体は滅んだが、今はがらんどうの鎧にその精神が憑依している。ライフパスが変わったと思ってもらっていい。


「……すみません。せっかく頂いた力なのに」
「謝るな。あれはあくまでお前個人の復讐だ。結果などどうでもいい」
「しかし、デュランダルも砕いてしまった」
「気にするな。あの程度の戦闘で砕けるということは、あれは所詮、聖遺物(アーティファクト)のなりそこないにすぎないということ。俺たちの目的とするものではない」



ハイン:アーティファクト……。

RL:聖遺物と書く。今アクトのキーアイテム。そして男の声に応えるように、その背後に3人の人影が出現する。

ミリシア:どんな外見ですか?

RL:まずひとりは腰に1振りの斬魔刀を挿し、小柄だが鋭い視線を光らせる女(クグツ)。そしてアーマーギアでも着込んでいるのかと思うほどの巨躯で佇む大男(カブト)。3人目はシワの浮かんだ穏やかな顔立ちながら、精悍な印象を与える白衣の男(タタラ)。――そしてジャンの目の前にいる強烈なオーラを放つ男(ハイランダー)。合わせて4人の男女がジャンを見つめていた。その場にいる4人の誰もが“只者ではない”と直感させるに十分な貫禄を漂わせている。

アルヴィラ:ちょっと待て、ゲスト多くないか。

RL:かなりね。神業バランスを考えず無駄撃ちすると全滅する可能性もあるよ。

リーベ:え、全員戦うんですか?

RL:その可能性は高い。即死系神業の数は調整してあるけどね。

ハイン:ははは……。


「だが、命あるということはまだお前にも為すべきことがあるということ。どうだ、せっかく永らえた命、今度は俺たちのために使ってみるというのは?」

 沈黙があたりを支配する。

「……いいでしょう。計画は失敗に終わりましたが、僕の力だけでは到底為しえなかったことを理解できた。ガロンや兄さんには申し訳ないですが……十分です。あなたには、恩返しをしなくては」
 ニヤリ、と男は口の端を持ち上げた。
「良い返事だ。刃をしまえ、金衛。――歓迎しよう。お前は今から我々、失われたミカヅチ第9部隊『岩雷(イワミカヅチ)』の同胞だ!」

「時は来たれり。目標、ヴィルヌーヴ中枢! 出し惜しみはするなよ。持てる策、力の全てを出し切って来い!」
「御意!」





舞台裏



アルヴィラ:出し惜しんでくれよ……(笑)。

ハイン:私は、シャルルの動向について調べたいです。

RL:んーと、目標値は12。技能は適当だと思うのでいいよ。〈ホットライン〉は封じられてるから組み合わせ不可ね。

ハイン: そうだった……〈社会:ヴィル・ヌーヴ〉単体で成功です。

RL:シャルルは現在釈放され、N◎VAからヴィル・ヌーヴへと向かっている途中です。神業でゴリ押した感じ。

アルヴィラ:俺は取りあえず斬佐についてかなあ。〈自我〉でもいけるんだな。

RL:精神体みたいなもんだしね。

アルヴィラ:んー、いや、ここは〈交渉〉〈コネ:斬佐〉〈虚言〉でいこう。修正がでかくなる。達成値18。

RL:全部はわからないけどこんな感じ。


・前回倒した武将の亡霊。しかし今もリッツガルドのプリンセス・アルヴィラに憑依している。現在は霊体である。
・現世に留まる理由は定かではないが、物質界に存在する何らかのエネルギーと霊界の強大なエネルギーが干渉しあっているそうだ。データとしてはセカンドライフでの復活。









リサーチ2 ――ドブネズミみたいに美しく――


シーンプレイヤー:リーベ/タロット:マヤカシ(正)

RL:「やはりまだこの国におったか。アムールよ」路地裏フルコースを楽しんでいる2人の前に、クロノ国王が現れる。つまり時間軸で言えば、ハインとアルヴィラが会議に出席してる間ね。

アルヴィラ:ここにいたのか親父……。

リーベ:「あ、あんたは……」後ろ手に偽ヴィラを守るように。

RL:クロノ王はそれを一瞥すると、背を向けて歩き出す。「城に来るがよい――その娘も一緒にな」

リーベ:「何を勝手なことを言ってるんだ!」

クロノ:「食事も用意してある」

リーベ:「くっ、卑怯な!」(爆笑)

ミリシア:偽ヴィラは?(笑)

RL:目をキラキラさせて、ご飯じゅるりな表情。

ハイン:可愛いなあ。


RL:さて、同シーン内だけど、舞台はリッツガルド城に移るよ。腹も膨れたってとこだね。

クロノ: 「前はすまないことを言ってしまったな。だが、状況がそうも言ってられなくなった」

リーベ:「状況、だって? 前はこの国から出ていけとか言ってたじゃないか」

クロノ:「左様。できればお前は荒事に巻き込みたくなかった。だが、リッツガルド、そしてヴィル・ヌーヴを魔の手に陥れようという勢力が不穏な動きを見せている以上、アムール、いや今はリーベと名乗っていたか……お前の力が必要なのだ」

リーベ:じゃあ態度では反抗的にしますが、聞かせてもらいましょう。

クロノ:「あいつには、この国を救ってもらう」

リーベ:「なん……だと……?」

クロノ:「これからこの国は争いに巻き込まれることになる。敵がどのような手段で、またどれだけの勢力で侵攻してくるかは分からんが、その時、この国の存亡を握るのは間違いなくあいつとなるだろう」


アルヴィラ:そうなのか(笑)。

RL:一応主人公だし。


クロノ:「アルヴィラは今、ワシの代わりとして円卓会議に出席しておる。恐らくはそれ絡みの内容だろう」

リーベ:「そ、そんな危険なことをあいつ一人に任せるっていうのか!」

クロノ:「無論、アルヴィラ一人ではない。ネオドイツ代表のハインリヒ卿にも同行するよう手配してある。だが、今回はそれだけの戦力で太刀打ちできる相手とは思えん」

RL:晴海もいない現状では、カブトとして動ける実力者は限られている。さらに、一部を除いて素性が割れていないって点でもリーベは適任なんだ。

リーベ:なるほどー。「く……分かった。どのみち俺は、アルヴィラを見捨てる気なんてないさ」

クロノ:「お前ならそう言ってくれると思ってた」

リーベ:「だが、勘違いしないでくれ。俺は、俺の意志で妹を守るんだ」

クロノ:「ふっ……そうか。それを聞いて安心した。おい」

RL:クロノ王が指パッチンすると、イザにゃんが蓋を被せた銀のお盆を持ってくる。

クロノ:「お前にこれを授けよう」

リーベ:「こ……これは?」

RL:そこにあるのは、一つの仮面。額部分には大きな“L”字のプレートが付けられている。「昔使っていたものだ。お前には、出来るだけ素性を知られずに動いてもらいたい」(一同笑)

アルヴィラ:おい待て、よけい目立つだろそれー!(笑)

RL:言っておいてなんだけど、昔使ってたってのに、なんでLなんだろうなあ。(一同笑)

イザナギ:以前は“K”の字だったんですが、ぞんざいに扱っていたせいで折れてしまったんです。ぽっきりと」(爆笑)


(てきとう言ってますが、クロノのつづりは“C”です)


RL:その時、突然むせこむクロノ王。その手には赤い何かが……。

アルヴィラ:おい、今度は何が始まった(笑)。

リーベ:思わず「大丈夫か!?」と声を掛けますが。

RL:その手にはトマトケチャップ。

クロノ:ワシの命も……あと50年ほどか……」(爆笑)


アルヴィラ:50年も生きれば十分だよ!(一同笑)

ミリシア:ひ、ひどい……(笑)。

ハイン:リーベってだけでもまともなシーンにはならないことは分かってました(笑)。


RL:と、いうわけで、リーベには今回アルヴィラの補助をお願いしたい。次回のアクトではフォーカス当てるからよろしく。

リーベ:分かりました。仮面を付けて、颯爽と城をあとにします。「アルヴィラ……一体何に巻き込まれているというんだ……」

RL:偽ヴィラどうする? ぶっちゃけると顔見せだからこっちで預かってもいいんだけど。

リーベ:ああ、それなら城の方で預かってもらいますか。「いい子にしてるんだぞ」

偽ヴィラ:「任せるだよ!」

リーベ:グッと親指を立ててシーン退場します。

RL:ほい、調査費用として1ゴールド持ってってくれ。

リーベ:わーお、やったー。(一同笑)



舞台裏



ハイン:暴動について。これを知らなきゃどうしようもないですからねえ。達成値は15。


・行政圏に対する不満から起こった反政府デモ。ヴィルヌーヴ各地で激化しつつあり、もはやレジスタンス運動と言っても過言ではない。
・始まりはネオフランス行政圏から。ドイツとフランスの2点を中心として広まっていったらしい。彼らを鎮圧しなければヴィルヌーヴの国力は低下する一方だろう。
・彼らを率いるのは“モア”と呼ばれる男である。


アルヴィラ:また知らない奴が出て来たな。この情報って、アルヴィラも共有してて構わないの?

ハイン:いいですよ。一緒に動いてるんでしょうし。

ミリシア:アベルについて調べてみてもいいですか?

RL:うん、むしろ調べてあげて。(一同笑)

ミリシア:〈社会:テクノロジー〉で17です。

RL:お、イベント発生するな。


・ネオドイツの科学者。かつてミリシア・リコリスと同門だったが、現在は交流が途絶えている。
・専門は脳科学とその一分野である電気生理学。その延長としてサイバーウェアの開発にも見識が深い。応用すれば洗脳程度はたやすく出来るだろう。
・数年間消息が分らない、あるいは活動が確認されていなかったが、レジスタンス運動が活発になった最近になってその姿が確認されている。









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