リサーチ3 ――裏切りのミリィ――


シーンプレイヤー:ミリシア/タロット:カゼ(逆)

RL:ではミリシアのイベントシーンです。オープニングから2、3日経ったあたりかな、舞台はミリシアのオフィス。DAKからはヴィル・ヌーヴ国内で広まりつつある暴動の続報が流れている。

ミリシア:では私は、若干うるさそうにぼんやりとそれを眺めています。相変わらず気分が優れない。

RL:そこに、来客を告げるインターホン。再びアベル君がやってきます。

ミリシア:一応確認しましょう。「今日は何の用? 悪いけど……」

RL:扉は開けてくれる?

ミリシア:ええ。

RL:なら、問答無用。そこでアベルが仕掛けよう。〈交渉〉〈制作:サイバーウェア〉〈超テク〉〈洗脳〉〈ゲシュタルト崩壊〉。達成値は、26だ。

ミリシア:えっ!?

ハイン:うわー。

アルヴィラ:〈洗脳〉してきたか。

RL:顔を覗かせたミリシアに、アベルが手をかざす。サイバーウェアを刺激し、催眠術のように相手の深層心理へ入り込んでいく。

ミリシア:「ア、アベル……一体、何……を?」

アベル:「ミリィ、一緒に来てくれ。一緒に、新しい時代を作るんだ」

ミリシア:だめだ。抵抗できません。一応リアクションして差分値は減らしておきますが。

RL:確かミリシアはフェイバリット装備してたよなー。[昏睡]狙いでいこう。

ミリシア:んー、どうしましょう。

ハイン:今すぐどうなるわけじゃないし、ここは通していいんじゃない?

ミリシア:そうですね。では、目から光が消えるような演出で。「……うん、わかった」

RL:ここでミリシアにキーハンドアウトを渡そう。はい、どうぞ。

ミリシア:(ハンドアウトを確認)……はぁ!? あー、あーなるほど、そういうことですね(笑)。

リーベ:一体何が書いてあるんだ……。

RL:アベルはミリシアの手を取ると、「さあ、行こう。僕たちを待ってくれてる人たちが大勢いる」と外へ連れ出していく。


 この感覚には覚えがあった。
 まどろんだ意識の中、ミリシアは夢想する。
 暗闇の中で差しのべられた手――それがただただ心地よくて……。





舞台裏



リーベ:ミリシア……堕ちたか……。

ミリシア:だってしょうがないじゃん!(笑)

ハイン:私は、モアについて調べますよ。〈社会:ヴィル・ヌーヴ〉で21。


・レジスタンス運動のリーダーとされる人物。ターバンに覆われた彼の素顔を見た者はいないという。
・混迷してゆくヴィルヌーヴの現状を憂いて革命を起こすも、その道に精通した人が見ればその行動は詰めが甘く、素人の手口であることが分る。
・本名はアベル・ブリッツマン。民衆は単に扇動されているのではなく、何らかの手段によって洗脳している可能性が高い。また、彼の裏で糸を引く者がいる。


アルヴィラ:やはりというかなんというか(笑)。

ハイン:ミリシアと知り合いだってことはまだ分からないんですよね。

RL:うん。それについてはアベルを調べなきゃ分からないね。で、一通り序盤のイベントは区切りがついたんだが、何かやりたいシーンはあるかな? 無いんなら、ハインとアルヴィラが現地に赴くシーンにしたいと思うんだけど。

ハイン:私はそれで構わないですよ。

アルヴィラ:情報も集まってないし、とりあえずそれで動くしかなさそうだしなあ。

RL:んじゃ暴動が起きてる現場に向かうってことでいいね。場所は、やっぱりドイツかな。

ハイン:そうなるでしょうね。








リサーチ4 ――繋がりゆく真実――


シーンプレイヤー:ハインリヒ/タロット:トーキー(逆)


「くそっ、ここも繋がらないか……」

 電脳回線を切ると、ハインリヒの口から思わず悪態が漏れる。これまで逐一情報を送信してくれていたオペレーターからの通信は先刻から途絶えている。
 反政府の流れは、異常なほどの速さで広まっていた。



アルヴィラ:「完全に後手に回ってしまいましたわね。これも例の洗脳ですか?」

ハイン:「ええ、その可能性は高いでしょう。そもそも、これまで国の復興に集結していた民衆の意志を変えるなど、一朝一夕でできるものではない。それこそ、洗脳のような手段を使わない限りは」

アルヴィラ:「けど、これで相手のカラクリは分かりました。要するに、今回の暴動はクーデターなどではなく、国家転覆のテロだということ」

ハイン:「そういうことです。行きましょうか、姫様」

アルヴィラ:「ええ、参りましょう。情報が遮断されている以上、その現場に行くしかありません」

RL:情報収集しとく?

ハイン:はい、アベルとミリシアの繋がりを明確にしておきたいので、アベルについて。

RL:ミリシアが調べたところまで分かったね。加えて、最近彼らが接触したことも。

ハイン:タップをカタカタっとやって自力で調べました。「なるほど。姫様、アベル・ブリッツマンの素性が割れました。ミリシアと旧知の仲らしいです」

アルヴィラ:「ミリシアさんと?」

ハイン:「ええ、しかも彼らは既に接触しているようです。もしかすると……」 RL、やっぱりここはミリシアに会いに行くということでいいですか?

RL:OK、なら場面は変わりミリシアの住居。本人は登場する?

ミリシア:いえ、代わりに置き手紙のようなものを残しておこうかと。アベルのところに行きますという内容で。


ハイン:「くっ、遅かったか……」

アルヴィラ:「これはつまり、ミリシアさんが連れ去られたということでしょうか」

ハイン:「まだ断定はできない。アベル・ブリッツマンの正体を知り、説得に向かったという線も考えられます」

RL:ミリシアの行先について、コネ判定できる?

ハイン:問題ありません。クラブの8を出して14。

RL:制御値も越えてるし、現在はドイツの中心部にある広場にいると分かる。

ハイン:これで繋がりましたね。「行きましょう。アルバート、車を出せ。中央広場まで急いでくれ」

RL:といったところでシーンを切り替えよう。次は予定通りイベントシーンでいくのでよろしく。






リサーチ5 ――扇動者、モア――


シーンプレイヤー:アルヴィラ/タロット:カゲムシャ(逆)

RL:では、中央広場にやってくると、キミたちは異様な熱気を感じる。そこには集会でもやるかのような無骨な上がり台が設置されていて、それを囲むような人だかりができていた。

アルヴィラ:なんだ?

RL:その上では、ターバンで顔を覆った青年が演説を行っている。『我が名はモア。民衆よ、共に戦おう』といった呼びかけに対し、次第に高揚していくギャラリーたち。

ハイン:今出ていくのもまずいので、ちょっと静観で。

RL:〈知覚〉判定してくれ。目標値10で。

アルヴィラ:俺が成功させる。

ハイン:私は回しておきますね。

RL:檀上にいる“モア”は、先ほど調べたアベル・ブリッツマン本人であると分かる。また、広場に集まった人々はサブマシンガンなどで武装したトループであるとも理解できた。

リーベ:わーお。

アルヴィラ:何グループいるの?

RL:20人が3グループ。

アルヴィラ:結構多いな……。「迂闊に動いては危険ですわ。彼ら、武装してます」

RL:そして、“モア”ことアベルは、民衆へ演説を続けながら、ハインリヒとアルヴィラに向けて語りかける。

アベル: 「我は“モア”。今これから、このヴィル・ヌーヴは生まれ変わろうとしている。一刻の猶予をやろう、ハインリヒ・ヴィルヘルム。さもなくば、この女の命は無いと思え」

RL:と言うと、壇上に上がってくる一人の女性。ミリシアは登場にチェック入れてくれ。

ハイン:「ミリシア!」

ミリシア:「あ……ハイン様だ。なんでハイン様がここにいるの?」とアベルに聞きます。

アベル:「ヴィル・ヌーヴはこれから生まれ変わるんだ。ハインリヒも、生まれ変わろうとしている」

ハイン:「ミリシア、説得には失敗したのか……」

アルヴィラ:「そんなこと言ってる場合じゃありません。あれは明らかに正気の者の眼じゃありませんわ」

ハイン:洗脳されてるのは分かっていいんですか?

RL:うーんと、洗脳かどうかは不明だけど、おかしいなってのは理解できる。

アルヴィラ:それだけ分かれば十分だな。

RL:〈洗脳〉だと知りたければ〈知覚〉で10出してくれればいいよ。

ハイン:私はあえて分からない方向で。

アルヴィラ:よし、なら判定して割ろう。ちょうど10だ。「あのような状態には心当たりがあります。どうやら洗脳を受けているようですね。どの程度のレベルで影響されているかは分かりませんが……」

ハイン:「彼女は、そこにいるモア、いやアベルという青年の事を親友と呼んでいた。もしかしたら説得に向かったのかもしれないと思っていたのだが……逆に……」

アルヴィラ:「ミイラ取りがミイラになった、と」

ミリシア:「わたしはー、腐ってー、ませんよー」(一同笑)

アルヴィラ:「聞くに堪えませんね。とにかく、人質を取り返しましょう。革命を鎮圧するのはそれからです」

ハイン:「ああ、だがこちらが動くことは想定済みだろう。そのための人質だ」

アルヴィラ:隠密潜入なんて出来んからな……(笑)。

RL:アベルは去ろうとするよ。一刻の猶予をやろうって言ってたしね。

ハイン:「聞こうか。そちらの要望はなんだ」

アベル:「ヴィル・ヌーヴが変わること――ただそれだけ」

ハイン:「明確なプランもなしに、貴様らは動いたと言うのか」

RL:素人のやり口だからね、分からんよ。

ハイン:「ミリシア、君は……」

ミリシア:「なんですか? ハイン様」

ハイン:「命が、惜しいか」

ミリシア:「命? 命は大事だと思いますよ。それは、きっとハイン様でも、ストリートの片隅で震えてる少女でも、変わらないと思います」

ハイン:「そうではない。国民のために命を捨てられるかと聞いている」返答次第では強いエキストラを突撃させそうで怖い。(一同笑)

ミリシア:「私は……誰かのために死んでもいいと思います。でも、今は……アベルのそばにいたいです!」

ハイン:「そうか。君が、調子が悪いと言っていたのはそのせいか……」(一同笑)

アベル:「ふん、おしゃべりはここまでにしよう。行こうか、ミリィ」

ミリシア:「ええ、アベル」

RL:アベルは、「ハインリヒ、結論が出たらここまで来るといい」とアドレスを渡します。このヴィルヌーヴの外にいくつかあるという、廃棄ドームの一つだね。レジスタンスの根城になってる。

ハイン:ふむふむ、了解です。


RL:……あ、情報明かしちゃった。

一同:

RL:レジスタンスの根城。

アルヴィラ:廃棄ドーム?

RL:うん。

リーベ:廃棄ドームだー。

RL:うん。

リーベ:アベル、どじっ子じゃないっスか。(爆笑)


ハイン:とりあえず、こちらもいったん退きましょうか(笑)。「姫様、私は先に本陣へ戻っています。では」といってシーン退場。

RL:シーンプレイヤーはどうする?

アルヴィラ:ひとまずリミットまでは向こうも大人しいだろうしな。このシーンでは何もしないよ。

RL:はい、じゃあシーン終了ね。そろそろリーベにも出張ってもらおうかな。



舞台裏



リーベ:にゃにを調べよう。にゃにを知ってるのかにゃ。(一同笑)

ハイン:情報ないんだよね(笑)。

リーベ:えい、デモ運動。いや、今のシーンをひっそり見ていたことに……。

RL:すると〈写し技〉で〈隠密〉の代用をして、か。

リーベ:それありですか?

RL:いいよいいよ。今回のリーベはそういう立ち位置だから。

リーベ:じゃあ洗脳された群衆の一人に変装していたことにして、達成値13。べりべりべりっと。(一同笑)








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