RL:さて、いよいよ突撃に行くか。中ボスだよ。
アルヴィラ:身もふたもない。(一同笑)
ミリシア:シーンタロットは力の暴走……ですか。
RL:廃墟での続きから。ジャキジャキっと銃器に囲まれたところね。そうこうしている間にも、アベルの体は激痛に苛まれ、叫び声を上げ始める。
ミリシア:私は地面に崩れ落ちて、「ごめんなさい、ごめんなさい……」とつぶやき続けます。
RL:すると、その体がボコボコボコ、と脈打って……。
ミリシア:え、ヒルコ?(喜)
ハイン:ねえ、その喜んでる声はなあに。(爆笑)
アルヴィラ:んじゃ登場判定。〈コネ:ミリシア〉で成功。途中、斬佐アーイとか使って潜入してきた(笑)。バーン、と後ろから派手に扉を蹴破って、出来るだけこちらに注意をひきつけよう。
ミリシア:ハイン様はウェブゴーストですか?
ハイン:うん。姫とバディで登場。
RL:トループたちが「何者だ!?」と警戒する。
アルヴィラ:演出で、一角槍の腹を使って何人かをなぎ倒す。殺しはしないが。
ハイン:私はミリシアに声をかけます。
ミリシア:「ごめんなさい……ごめんなさい……」
アルヴィラ:「はい、ストーーーップ!」と言ったところでペルソナをカリスマに変えよう。「その人を返してもらいますよ」
バルト:「ほう、なかなかに早かったじゃないか。リッツガルド公国の第一王位継承者、アルヴィラ・ミティアローザ・フォン・リッツガルド。……そちらは、ネオドイツランド行政圏の代表、ハインリヒ・ヴィルヘルムだな。待っていたぞ」
RL:バルトがスッと手を上げる。すると、雑居ビルの暗がりから、ガシャ、ガシャと無機質な音が聞こえてくる。
通路の奥から、異質な物の気配が近づいてきた。
ガシャリ――。
金属同士が擦れあう、重く、どこか悲しい響き。
光が差し込むフロアーに、やがてそれは姿を現す。
「あ……」
ミリシアの胸ポケットに挿していた、バラが散った。
RL:そこに現れたのは、朱に染まった一つの甲冑だった。兜の無いがらんどうの鎧が光に照らし出される。
アルヴィラ:「ちっ、万全の態勢でお出迎えってわけか。しかも、あの鎧……」 後ろに立ってる斬佐の方をちらりと。
バルト:「せいぜい、苦しまぬように死んでくれることを祈ろう」
RL:回線が切れ、バルトは退場します。ここにいるのは、トループたちと謎の甲冑、そして異変を続けるアベル。まるで人間の物とは思えない悲鳴を上げて、体が変異し始める。
ハイン:「ミリシア! 離れるんだ!」
ミリシア:「ア、アベル……ごめんなさい」 自分からは動けなくなってます。
アルヴィラ:駆け寄ってミリシアを引き寄せる。「しっかりしてください。今は狼狽えてる場合じゃないですよ!」
ミリシア:「私の、私のせいで、アベルが!」
アルヴィラ:「いいから落ち着け! 状況を見ろ!」
RL:ってなところで、暴走し始めたアベルの叫びに驚いたトループが、凶弾を放つ。その先にはアルヴィラが……。
アルヴィラ:「しまっ……!」
リーベ:登場します。〈社会:ストリート〉で。間一髪、マントをバサーッと。(一同笑)
アルヴィラ:マントだと?(笑)。
リーベ:ええ、黒マントの謎の男が間に入り込んで、銃弾を叩き落とす。
RL:トループは一瞬何が起きたか理解できない様子だったが、すぐに構えを直す。「何者だ!」
リーベ:その男は“L”字の仮面を被って、もう一度マントをバサーッと。えーと、
「愛と正義の使者、リーベ仮面だ」(爆笑)
ミリシア:相変わらず変な生き物。
アルヴィラ:敵味方含めてぽかーんとしてそうな(笑)。
リーベ:「リッツガルドの王女よ。あなたを助けに来た!」そこでバサッとマントを外す。
アルヴィラ:「は……はい? それはどうも……っていうか、あなたあの時の」
リーベ:それにはまったく答えず! 敵を見据えて「さあ来い!」と構える。あ、
手にはカスタネット持ってますよ。(爆笑)
RL:ま、まあ、とにかく異形化したアベルと……。
ミリシア:アヤカシだったー。(一同笑)
RL:そっちのじゃないからね! 形容詞的なね!(笑)
アルヴィラ:ちなみにそっちの鎧はどんな感じ? やっぱ斬佐みたいな恰好してんの?
RL:うん、まんま斬佐。偽ヴィラとアルヴィラの違いみたいなもの。(爆笑)
ミリシア:なるほど、まったく同じですね(笑)。
RL:その鎧も、徐々に近づいてきてる。ちなみに、その手には何も持っていない。
アルヴィラ:「おい、あれは、お前じゃねえのか?」後ろに話しかけよう。
リーベ:うわー、一人でぶつぶつ言ってるなんか変な人がいるー。(一同笑)
斬佐:「あれか……確かに、私の甲冑のようだな。対面してみて理解できた。私が現世に留まる理由、あれの影響も大きいようだ」
アルヴィラ:「ちっ、めんどくせえ。ていうか、なんであれは動いてるんだ」
斬佐:「わからない……
だが、やっちまおう」(爆笑)
アルヴィラ:「使えねえやつだ。だが、その考えには同意するぜ。ま、あのけったくそ悪い剣がないだけマシか!」
ミリシア:あの鎧の正体について気づいてもいいんですか?
RL:まあ、ぶっちゃけジャンなんだけど、キャラクターにはまだ分からないよ。
ハイン:私はさっき呼んだトループを登場させてもいいですか? ビルを囲んでいるような感じで。
RL:OK。じゃあカットに入ろうか。プロット開始。
カット進行
RL:前回はプロット置いた時点でぬっころされたからなあ。ジャン君大歓喜。(と言いつつ4枚プロットしていく)
一同:きゃー。
RL:トループは21人で3枚、暴走アベルが2枚。
リーベ:これがミドル戦闘……だと……。
RL:零式相当の体に、データはジャン・バルバトールだ。
ハイン:やめて(笑)。
RL:じゃあまずセットアップから。
一同:なし。
RL:ということはアクションランク4のジャンからだな。
〈コネ:アベル〉〈人使い〉。アベルはプロット消費なしで動くことができる。マイナーは使わず、
〈交渉〉〈制作:サイバーウェア〉〈超テク〉〈ゲシュタルト崩壊〉で精神攻撃を行う。対象は……アラシトループかな。達成値24。
リーベ:24……あ、足りる。(一同笑) まずは
〈自我〉〈挑発〉で達成値は16。攻撃を自分に向けさせます。ここでレシピエントを使用。制御値が14上がるので、25。弾きます。
RL:ぐ。アベルの放った獣のような咆哮は、機器類やサイバーウェアを破損させる共鳴波のようなものだ。
リーベ:えーと、では、「皆の者、耳をふさいでもらおう!」といって、レシピエントの演出。目を開くと、瞳の色が茶色から青に変化している。そして、自分の背後にクロノ王の幻影が見えるかのようなオーラが。
アルヴィラ:「なっ、あれは」
リーベ:すうっと息を吸い込んで……
こちらも同じような叫び声を。(爆笑)
RL:ぶつかり合う衝撃波。かき消されました(笑)。
ハイン:私はマイナーで戦旗を起動します。そしてメジャーで
〈盾の乙女〉。「姫様、戦場のデータを送ります。暴れまわっていいですよ」
アルヴィラ:「よーし、いくぜ!」マイナーでスリーアクション、JJF、コンバットリンク、タイプDを使用。
〈運動〉〈白兵〉〈二天一流〉!
RL:(ノータイムで)じゃあそれ
《チャイ》。(爆笑)
アルヴィラ:え、ちょ!(笑)
RL:アルヴィラの動きが止まる。よく見ると、いつの間に取り出したのか、極細のワイヤーが一角槍に絡んでいる。どことなく、ミリシアには見覚えのある動き。あの時ジャンがステージで披露していた手品と、イメージが重なっている。
ミリシア:「あれ……あの動きは」
アルヴィラ:「なに!? 俺の動きが止められた」 あれ、一発目で無効化されたから、これで止まるんだよな。
RL:うん、追加攻撃の効果は適用されない。
リーベ:そういえばペルソナは?
RL:鎧姿のジャンがマネキンで、アベルがタタラだよ。
ハイン:トループが動きます。スリーアクション、コンバットリンク、Lightning、ソルジャーブルー。メジャーは
〈射撃〉〈操縦〉で敵トループに向けて龍王を放つ。達成値は22。
RL:意外と出るな。いいぜ、こい。
ハイン:ダメージは〈殴〉の21。
RL:13点抜けて、8人残ったか。プロットはこのカット終了時に削るから、まだ3枚という処理でいくね。
アルヴィラ:なるほど。
RL:ではジャンの番。同じコンボでアベルを動かす。対象はハイン。
ハイン:私!?
RL:ウェブゴーストで出てきてるから、一番影響を受けそうだ。達成値は20。再びサイバーウェアを狂わすほどの金切り声を。
ミリシア:私が防ぎます。
ハイン:なら
〈盾の乙女〉。
ミリシア:〈制作:ドラッグ〉〈交渉〉で21。大声で、「やめてアベル! その人は!」と叫ぶ。
RL:OK。その声を聞き、叫ぶのをやめるアベル。そしてトループが、「邪魔な女だ。さっき死んでおけば良かったものを」と銃を撃ちこむ。
〈射撃〉〈必殺の矢〉で19。
ミリシア:〈運動〉がないから止められない……。
リーベ:〈自我〉〈挑発〉。「泣いている女性に対してそんなものを向けるべきではないよ」L字がしゃべる。(一同笑)
アルヴィラ:ところでL字ってどんくらいでかいの。
リーベ:こんくらい?(頭の上に手を伸ばす)
ミリシア:ちょんまげくらいか。
リーベ:シュノーケルのノリで。(爆笑)
RL:制御値28……言うまでもなくレシピエントで防がれるか。
ミリシア:アベルはここで私が殺さなければならない、と中の人もミリィも思った。マインドブラストを起動。
〈交渉〉〈制作:ドラッグ〉〈超テク〉〈サブリミナル〉〈おしおき〉。達成値は23。試験管を取り出し、手でバキッと握り潰します。
RL:防げない。どうぞ。
ミリシア: 「ごめんなさい……アベル」ダメージは16番、自我喪失。
RL:神業切るか。
《ファイト》で、ジャンの《天罰》を使用する。
ミリシア:ミストレス……私と、まったく同じスタイル……!
RL:そうだよ。どうかしたか?(一同笑)
アルヴィラ:狙ってるなあ(笑)。
ミリシア:「どうして、アベル。やめて、お願いだから、もう……」
RL:「ウル、サイ……!」と聞く耳持たない。
ハイン:トループはトループで潰す。
〈操縦〉〈射撃〉で18。ダメージは22。
RL:レジスタンスは今度こそ鎮圧された。
アルヴィラ:次は俺か。さっき絡みつかれた糸をようやくぶった切って、「ちっ、味な真似してくれるぜ!」もう一度同じ組み合わせだ。
RL:「あなたを動かすと危険なことは、誰よりも僕が知っている」
《プリーズ!》。アベルの《タイムリー》でその攻撃を無効化する。
リーベ:どのような演出で?
RL:アベルは神経やサイバーウェアに特化したタタラだった。この部屋には、筋肉を弛緩させる薬品が少しずつ充満してきていて、今回はアルヴィラにその効き目が出たということで。
アルヴィラ:「くそ……早くここを出ないとやべえかもな」
RL:次はジャンの行動。マイナーで
〈夜の一族〉を解放。
〈交渉〉〈封印記憶:夜の一族〉で目の前で動きの止まったアルヴィラに手をかざす。達成値は20。
アルヴィラ:ふっ、俺にリアクション能力なんてあると思うのか。
ミリシア:〈制作:ドラッグ〉〈交渉〉で、「ジャン! ジャンなんでしょ? どうしてあなたまでここにいるの」
RL:一瞬、その動きを止める。「僕はジャンじゃない……」
ミリシア:「ジャン……あなたそんなに、円卓が憎いの」
ジャン:「違う。僕はただ、僕が受けた恩に報いるだけだ……」
RL:そして再びアベル。うーん、プロットが残ってるトループを落とそうか。組み合わせは同じ、最大達成値で26だ。差分値入れてダメージは21か。
ハイン:あー、落ちちゃう……。
ミリシア:いや、まだ大丈夫ですよ。トループは、主人が一緒にいるとそのレベルだけ精神ダメージを減らせます。
ハイン:あれ? 2人助かった。(一同笑)
リーベ:レオンハルト君だ! アルバートの弟子だ!(笑)
ハイン:わけわかんないけど助かった(笑)。「まだいけるな、レオンハルト。容赦はしなくていい」
〈オーバーレヴ〉!(Aを出す)
一同:レ、レオンハルトかっけーーー!(笑)
ハイン:ジャンは撃ってもダメージが通らない。アベルを撃つ! ごめん! 達成値は22。ダメージは23です。
RL:……蜂の巣だ。ウォーカーの砲撃を受け、ぼろ雑巾のような体になっていくアベルだったが、
《タイムリー》。再び超速度で再生していく。
ハイン:「だが、再生にも限りがあるはずだ!」もう一度トループで攻撃! ダメージは22。
アベルの体は、もはや人の物ではなくなっていた。
苦しみながらも死ねない命。痛みで絶叫するアベルを見て、思わずミリシアは視線を逸らす。
そこに続けざまに撃ちこまれる砲撃。
コンクリートを抉るほどの衝撃が土煙を上げ、それが止んだ頃、かつてアベルだったものは、そこに横たわったまま動かなくなっていた。
リーベ:「悲しい死にざまだ……。俺はあんな風には死にたくないものだ」(一同笑)
ハイン:最後の一発。
〈盾の乙女〉でジャンを撃つ。達成値は16です。
RL:それは制御値に届かないね。
アルヴィラ:だが、土煙の向こうから俺が飛び出す。
〈白兵〉〈運動〉〈修羅〉。二天一流は組まないが、差分値2倍だ。24!
RL:うーん、当たった。差分は30。
アルヴィラ:ダメージは46。「くたばりやがれぇ!」
RL:死ぬわ。
《天罰》やー。(一同笑)
ハイン:これで神業を使い切った、けど……。
RL:ご明察。こっちの手番になったら〈チェシャ猫〉するよ。(爆笑)
リーベ:ミリシア止めてー! こいつをクライマックスに出したらあかーん!(笑)
RL:幽鬼のように、ゆらりゆらりと近づいてくるジャン。もはや自分の死期を悟ったかのように無防備だ。
アルヴィラ:止められたが、口元だけでにやりと笑っておく。アベルのまいたガスが回ってきた演出で、さっきのが最後の一撃だ。
ジャン:「ミリシア、さん」
ミリシア:「ジャン。あなた、どうして……? ヴィーデル、リボンなの? また私が、あなたを苦しめているの?」
ジャン:「違うよ。ヴィーデルリボンはきっかけにすぎない。あの人にとっては、ただの余興だ」
ミリシア:「私の研究が、誰かの意図で? そうだって言うの、ジャン」
RL:彼は質問に答えない。が、その沈黙が肯定しているようにも感じられる。
ミリシア:「……ジャン。あなたは止まってくれないの?」
ジャン:「僕は、止まることはできない。ミリシアさん。何も言わずに……僕を殺して欲しい」
ミリシア:「……一つ確認するわ。あなた、死んでいるのよね?」
ジャン:「そう、ぼくは死人だ。ただの殺人鬼。あなたが気を病むことはない」
ミリシア:「ジャン。あなたに伝えたいことがあるの」
ゆっくりと、かつてジャンだった鎧は歩みを進める。
それに合わせ、ミリシアも少しずつ、彼の元へと進んでいく。
もう、足の震えは止まっていた。
言いようのない寂しさと虚無感だけが、彼女の心を支配しようとしている。
「愛していたわ」
「あなたと過ごした数時間、確かに私は安らぎを感じていた」
「そしてそれは、あの人も同じ」
「アベルにも、伝えて欲しい……私の気持ち……」
そっと、ジャンの体に寄り添うミリシア。
もう、彼の体温は感じない。
だが、伝わってくるぬくもりは、確かに彼のものだった。
「さよなら、ジャン」
――《神の御言葉》
RL:ジャンの体から、生気が抜けていくような感覚。死の間際、彼は「ありがとう……。僕からも一つ、わがままをいいかな」と囁いた。
ミリシア:「なあに」
ジャン:「兄さんを、よろしく」
ミリシア:「……分かったわ」
RL:以上でカット進行終了です。鎧はバラバラと砕けていき、数千年の時が一度に過ぎたかのように風化していく。
アルヴィラ:「おい、何か変わったことはあるか」後ろの幽霊に聞こう。
斬佐:「私の――《腹心》が消えた」
一同:ライトハンド!?
RL:システム的なからくりを説明すると、前回のアクトでジャンは斬佐の《腹心》だったわけ。だからアクトが変わっても、宿主である斬佐がセカンドライフで生き返ってるから、今回復活することができたんだ。
アルヴィラ:なるほどな。「ったく、自分の体ぐらい自分で管理しろよな」
斬佐:「何者かの意図があるとは感じていたが、あの鎧自体は私の憑代ではなかったようだ」
アルヴィラ:「はぁ……なんでこんなお荷物がついてきたんだかなー」と言いながらも、心からうんざりしたような表情ではなかった。
RL:じゃ、そんなとこでシーン終了。おつかれー。